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遺跡の魔物退治を買って出るというコウとマークの言葉に、村人達の表情は明るくなる。

「これで村も救われる!」

村を代表して、村長である老人がふたりのハンターにあらためて魔物退治を依頼する。

・・・が、そこである1人の若者が表情を暗くしたまま口を開いた。

「コウさんとマークさんはハンターだ。そのふたりに“魔物退治”依頼するってことは―」

その言葉に、そこにいた村人達は皆、静まりかえる。

今、コーヘイ村には最低限の蓄えしかない。だから、

ふたりへの報酬を用意することができない状態なのである。

表情を暗くしたまま、うつむく村人達。

そこにマークが口を開く。

「別にいらないよ。報酬なんて。・・・な、コウ?」

マークの言葉に、コウもうなずいて村人に言った。

「これは“依頼”じゃないですよ。オレ達が“勝手に”やる事ですから、気にしないで下さい」

その言葉を聞いた村人達は、ふたりに感謝の意を伝えた。



翌日、コウとマークは村の若者サウザーを案内役に、魔物の出現する遺跡へ向かった。

道中、魔物の群れに遭遇するが、二人はなんなく突破していく。

遺跡―ダグラス洞穴遺跡と呼ばれる―に着くと、内部にはやはり無数の魔物が徘徊していた。

コウとマークは、帰路の途中で魔物に遭遇する可能性を考え、サウザーを帰さず

護りながら遺跡を進むことにした。

魔物を突破しながら、二人が最深部へ到達すると、

そこには壁に彫られた巨大な魔法陣と、そこから現れる無数の魔物が。

「こいつをどうにかすりゃあ・・・」

「解決・・・かな?」

顔を見合わせてそう言いながら、コウとマークは次の行動へ移る準備を始める。そして。

「サウザーさん、ちょっとばかしそっから動かないでね〜」

「すぐ終わらせますから」

後ろでただ震えていたサウザーにそう言うと、コウとマークは同時に飛び出す。

二人はそこにいた魔物を瞬時に片付け、そして魔法陣に近づきそれを破壊。

すると、魔物は出現しなくなり、遺跡全体からも魔物の気配が消えていく。

「終わった・・・かな?」

「終わった・・・だろ」

二人のやりとりが、問題解決の合図となった。



遺跡を離れ、コーヘイ村への帰路につく三人。その道中のやりとり・・・

「んあ〜、疲れたっ!」

「今回は、ちょっと数が多かったかもな・・・」

などと、笑いながら軽く話すコウとマーク。

そんな二人を見ながら、後ろで一人サウザーは感心しつつも呆れた心境になっていた。

「ハンターって皆こんな感じなのか?それとも、この人達が凄いだけなのか・・・?」



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